フグ毒について

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これがTTXと言われるフグ毒で学名がテトロドトキシン(略してTTX)だ。私の研究所では様々なフグに関しての実験をしている。安心で安全な美味しいフグの創出にむけて、東大大学院農学生命科学科の渡部終五先生と共同研究で壇ノ浦研所の運営にあたっている。

その中の一つにフグ毒の研究がある。現在国内で食用として許可をされているフグは22種類ある。

その22種類のフグは共通した毒を持つが、夫々のフグで毒を持つ場所が違う。トラフグだと肝臓と卵巣に強力なふぐ毒を持つが、マフグだと皮と卵巣、肝臓にフグ毒を持つ。美味しい白子も毒を持つフグもいるのでとても厄介だが、22種類については安全性が確立をされている。

しかしどうして同じフグ同士でも種類が違うとフグ毒を持つ場所が違うのかについては、いまだ解明ができていない。

今回は大学から松本博士が来て、トラフグにTTXを投与して肝臓からの毒の発現をみて、この難問に挑戦することになった。

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これは人間に使用する注射器で、魚にもこれを使用して注入する。

「ふぐは何故フグ毒で死なないのか」は別に書かせて頂くとして、今回の写真に映っているTTXは今年の1月のトラフグ卵巣、4月のマフグ卵巣から精製した。特殊な技術と器具が必要なので素人には精製はできないが、何はともあれフグには毒がある。

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若い研究者との仕事は楽しい。

今後フグ毒がどの遺伝子が関与して体内に蓄積されるかが解明できたとしても、決してフグの内蔵を食べようなどと考えない方が良いと思う。

「ふぐ肝特区」と言う話があるが、生命の安全は自分で守らないといけない。

食品の安心が見た目でわかれば食中毒は起こらないが、ノロウィルスや毒は見た目ではわからない。

研究の成果は美味しいフグの創出につながる。フグはフグ毒を体内に持つことで免疫力がたかまるのだ。

免疫力があり、耐病性に優れた魚は良く運動し健康だ。

10月になればふぐ刺しで一杯やろうか。

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